システム概要
構築期間:2017年12月〜2018年2月
運用期間:2018年4月〜現在
旧南勢町と旧南島町が合併して生まれた南伊勢町様は、熊野灘に面した海岸延長約245kmのリアス式海岸、旧両町を繋ぐ東西に走る道路は延長約55kmの国道260号のみ、鉄道なしという立地条件にあります。庁舎は南勢庁舎と南島庁舎の2つに分かれており、庁舎間の移動には1時間弱かかります。さらに、南海トラフ地震を想定した津波は、最短8分で最高22メートルにまで到達すると予想され、両庁舎間の情報共有の難しさは深刻な課題でした。
そこで南伊勢町様は、防災拠点や避難所約20拠点を独自の長距離無線LANで結び、インターネットが使えない状況に陥ったとしても町内のデータ通信を可能とし、このインフラを用いて災害対応システムが活用できる環境を整備。二次避難所にはWi-Fiスポットを整備し、町が用意するポータルサイトから災害広報などの情報を得たり、町民同士の情報交換が可能となります。
本システムのサーバは、災害対策本部が設置される南伊勢町地域連携棟に設置されています。建物は高台に移転された町立南伊勢病院に併設されており、住民の重要なデータを蓄積したサーバ類や防災行政無線などがすべて集約されています。
導入後の効果
独自のローカルネットワークで運用可能
同時に整備した町内長距離無線LANを用いることで、従来の公衆回線、
携帯電話回線、防災行政無線などが機能しない状況においてもシステム
が稼働できるよう冗長化。
ドローンと合わせて空間情報の把握に
ドローンで撮影した空撮画像などをシステムに登録すれば、空間的な
状況把握も瞬時に行えます。離れた場所にある2拠点間でも、的確かつ
迅速な意思疎通が図れます。
お客さまの声
汎用性がとても高いシステムなので、他課における別業務での利用や、それらの情報を活用した横の連携の強化につなげていきたいです。将来的には、空き家対策や災害廃棄物処理計画・対応への活用のほか、システムの相互運用可能な機能を利用し、近隣自治体や関係機関などの他システムとの連携による情報共有も図りたいと考えています。
将来へ向けて
- 災害対応だけでなく、汎用性の高さを活かして空き家対策や災害廃棄物処理計画・対応などへの活用を検討しています。
- システムの相互運用可能な機能を利用し、近隣自治体や関係機関などの他システムとの連携による情報共有を目指します。